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コア技術料の概要
コア技術料(CTF)とは、デベロッパが「Alternative Terms Addendum for Apps in the EU」(EUにおけるアプリに関する新しい規約の付属文書)を採用する場合、欧州連合(EU)におけるビジネス規約に含まれる要素です。CTFには、革新的なアプリを開発し、ユーザに向けて公開するためのツール、テクノロジー、サービスへの継続的な投資を通じて、Appleがデベロッパに提供する価値を反映するものです。
「Alternative Terms Addendum for Apps in the EU」(EUにおけるアプリに関する新しい規約の付属文書)の下で事業を行っているデベロッパは、App Store、Web配信、または代替アプリマーケットプレイスを通じて、iOSアプリやiPadOSアプリをEU圏で配信することができます圏また、EU圏でApp Storeを通じて配信されるアプリにおいて、Appleの複数のオペレーティングシステムにわたって、代替決済処理システムを使用することもできます。CTFは、iOS 17.4およびiPadOS 18以降を実行しているデバイスを使用して、EUユーザがダウンロードしたアプリにのみ適用されます。
CTFは、ユーザとデベロッパ、双方のニーズを満たすことを目的としています。初年度アプリインストールはアカウントごとに1回のみカウントされるため、デベロッパは、ユーザが所有するデバイスの数に関係なく、追加料金なしで12か月間、ユーザに対して機能アップデート、バグの修正、セキュリティパッチを無制限にデリバリできます。また、ユーザがデバイスのアップグレードや買い替えを行った際に、iCloud転送を通じてアプリを再インストールした場合、デベロッパはCTFを請求されません。
「Alternative Terms Addendum for Apps in the EU」(EUにおけるアプリに関する新しい規約の付属文書)について、詳しくはこちらを参照してください
CTFの仕組み
CTFは、あるアプリの12か月間における初年度アプリインストール数に基づいて計算されます。
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初年度アプリインストール。EU圏のアカウントによるインストールのうち、過去12か月間で初めてアプリをインストールした場合をカウントするものです。初年度アプリインストールが1回発生すると、それ以降の12か月間に同じアカウントがそのアプリを何回インストールしたとしても、CTFが追加で請求されることはありません。初年度アプリインストールは、App Store、代替アプリマーケットプレイス、デベロッパのWebサイト、TestFlight、App Clip、Apple Business ManagerやApple School Managerを経由した一括購入を通じて配信された、またはカスタムアプリとして配信されたiOSアプリやiPadOSアプリについて、初回インストール、再インストール、アップデートの結果として発生する可能性があります。
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初年度アプリインストール数100万回まで無料。Apple Developer Programのメンバーシップを持っている場合、App StoreやWeb配信、代替マーケットプレイス経由で配信されるアプリの初年度アプリインストール数100万回(年間)まで費用は発生しません。
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100万回を超えると、初年度アプリインストール1回ごとにCTFが発生。過去12か月間における初年度アプリインストール数が100万回を超えると、デベロッパは、初年度アプリインストール1回ごとに0.50ユーロのCTFを請求されます。
Appleは、デベロッパがCTFを支払わなくてもよい条件を、以下のように多数用意しています。
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アプリの初年度アプリインストール数が100万回を超えないデベロッパ。
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Apple Developer Programの登録料免除が適用される非営利団体、認定教育機関、政府機関。
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収益がないデベロッパ。これは、物理的収益、デジタル収益、広告などの収益性が一切ない無料アプリを提供している場合を含みます。この条件は、学生、趣味でアプリを開発する個人や、その他の非営利のデベロッパが、CTFを支払うことなく、人々に喜ばれるアプリを開発できるようにするためのものです。
Appleは、小規模なデベロッパがサポートするため、革新的なアプリを開発してビジネスを急速に成長させるための期間を確保できるよう、CTFが無料となる3年間の導入期間を次のような条件で提供しています。
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初年度アプリインストール数が100万回を超えたことのない小規模デベロッパ(全世界での事業収益が1,000万ユーロ未満)には、CTFが無料となる3年間の導入期間間が提供されます。この期間は、デベロッパが「Alternative Terms Addendum for Apps in the EU」(EUにおけるアプリに関する新しい規約の付属文書)に署名した時点から始まります。この期間中、デベロッパは、全世界での事業収益が継続して1,000万ユーロ未満である限り、しきい値を超える初年度アプリインストール数に対するCTFを請求されることはありません。
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小規模デベロッパのビジネスが成長し、3年間の導入期間内に全世界での収益が1,000万~5,000万ユーロとなった場合、初年度アプリインストール数が100万回を超えた時点で、年間100万ユーロを上限としてCTFを請求されるようになります。3年経過後、年間の初年度アプリインストール数が100万回を超えた場合は、初年度アプリインストール1回ごとにCTFを請求されます。
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デベロッパは、最大3年間連続でこれらの条件の利用資格を得るため、全世界での事業収益が対象範囲内にあることを、年次で申告する必要があります。3年経過後、年間の初年度アプリインストール数が100万回を超えた場合は、初年度アプリインストール1回ごとにCTFを請求されます。
注:以上のような導入期間の特典を受け取るには、アプリの初年度アプリインストール数が100万回を超える前に収益を申告する必要があります。収益を申告する前にアプリの初年度アプリインストール数が100万回を超えた場合、そのアプリで特典を受ける資格はなくなります。
3年間連続の期間が適用されるのは、各デベロッパアカウントにつき1回です。ご自身のアカウントで、CTFが無料となる3年間の導入期間が期限切れとなっている場合、その後初年度アプリインストール数が100万回を超えるアカウント内の各アプリに対してCTFが適用されます。
CTFが無料となる3年間連続の導入期間は、「Alternative Terms Addendum for Apps in the EU」(EUにおけるアプリに関する新しい規約の付属文書)に署名した時点から始まり、その後のアプリのアクティビティに関係なく、3年後に期限切れとなります。
代替アプリマーケットプレイスのデベロッパは、当該マーケットプレイスの初年度アプリインストールが発生するごとに(100万回以前のインストールも含む)、コア技術料を請求されます。
アプリにCTFが適用されるかどうかを把握するには、過去のアプリインストールレポートをダウンロードし、CTF計算ツールを利用してください。
初年度アプリインストール数
アプリの初年度アプリインストールは、EU圏のApple Accountが、iOSまたはiPadOSにおいて過去12か月間で初めてそのアプリをインストールした場合に発生します。初年度アプリインストールが1回発生すると、それ以降の12か月間に同じアカウントがそのアプリを何回インストールしたとしても、CTFが追加で請求されることはありません。しかし、12か月間の期間が終了した後にインストールした場合は初年度アプリインストールとしてカウントされます。このインストールを実行してから12か月間は、同じアカウントを何回インストールしたとしても、追加でカウントされることはありません。初年度アプリインストールは、その発生日に関係なく、特定の月に関連付けられます。たとえば、5月1日と5月15日に発生する初年度アプリインストール数はどちらも5月に行われるため、いずれの場合も12か月間の期間は翌年の4月30日に終了することになります。
Appleは、デベロッパが「Alternative Terms Addendum for Apps in the EU」(EUにおけるアプリに関する新しい規約の付属文書)に同意した後にのみ、初年度アプリインストール数をカウントし始めます。これらの規約の下、デベロッパは必要に応じてアプリのアップデートのデリバリを1年間行うことができ、重要なアップデートに加えて、ユーザ体験を高める新機能や改善点をユーザに継続的に届けることができます。
初年度アプリインストールとみなされるのは、特定の種類のインストール操作だけです。これにはiOSアプリやiPadOSアプリの初回インストール、以前インストールしたアプリの再ダウンロード、アプリのアップデートが含まれ、新たに12か月の期間が開始される場合にのみカウントされます。12か月の期間中にユーザがiOSとiPadOSの両方で同じアプリをインストールした場合でも、そのアプリの初年度アプリインストール数は1回のみとなります。その他のインストール(取り除かれたアプリの再インストール、iCloud転送、EUにおける同一Apple Accountでの追加デバイスへの自動ダウンロードなど)は、初年度アプリインストールとしてカウントされません。どのような場合に初年度アプリインストールとみなされるかについては、こちらを参照してください。
たとえば、EU圏のApple Accountを持つユーザが2024年4月にForest ExplorerというアプリをiOSに初めてインストールしたとします。これは初年度アプリインストールとみなされ、この時点から12か月の期間が始まります。この間デベロッパは、追加で初年度アプリインストールとしてカウントされることなく、アプリのインストールを当該アカウントに何度でもデリバリできます。しかし、12か月間の期間が終了した後にインストールした場合は初年度アプリインストールとしてカウントされます。また、このインストールを実行してから12か月間は、そのアプリとアカウントについて何回インストールが行われても追加でカウントされることはありません。

Appleではプライバシーに対する強固なポリシーを反映したアプリインストール機能を設計し、デベロッパに提供しています。このため、個人のユーザデータは保護され、アプリのインストールデータが個人のユーザを特定できる形でデベロッパと共有されることはありません。また、初年度アプリインストール数がほかのデベロッパと共有されることもありません。
課税、請求、支払い
商取引の標準に従い、コア技術料には税金が含まれていません。税法により適用される税金がある場合は、請求書に新しい行が追加されます。税金が適用されるか否かは国や地域によって異なります。税金には、付加価値税(VAT)、売上税、使用税、物品サービス税(GST)、消費税が当てはまりますが、その限りではありません。詳しくは、「Alternative Terms Addendum for Apps in the EU」(EUにおけるアプリに関する新しい規約の付属文書)を参照してください。
課税対象になるかどうかは通常、以下の要因の組み合わせによって決まります。
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ビジネスの拠点 (Apple Developer Program に登録する際に提供した法人の住所)
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Apple に提供した税金情報 (有効な納税者 ID や免税資格など)
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請求元のApple法人。
ご不明な点がある場合は、自身の税務顧問にお問い合わせください。
ある月を対象としたコア技術料がデベロッパに発生した場合、当該デベロッパに対して、翌月の15日までに請求書が発行されます。また、デベロッパは請求書を受け取ってから30日以内にAppleに対して支払いを行う必要があります。支払いは、請求書に記載されているデベロッパアカウントの一意の仮想ルーティングナンバーを使用して、ご利用の銀行から直接行うことができます。支払い遅延が生じた場合は利息が発生し、支払いが行われない場合は、デベロッパに支払われるApp Storeでのアプリ内課金による収益との相殺やApp Storeからのアプリの削除、Apple Developer Programからの除名が行われる可能性があります。ご注意ください。
小規模デベロッパとして収益を申告する
小規模デベロッパの方々には、初年度アプリインストール数が100万回を超えるアプリがない場合でも、収益を申告することを強くお勧めします。そうすることで、後にいずれかのアプリでインストール数が100万回を超えるようになった場合に、適切な利益を受け取ることができます。アプリの収益を申告する前にいずれかの初年度アプリインストール数が100万回を超えた場合、導入期間の特典の対象外となります。
収益を申告する場合、Apple Developer ProgramメンバーシップのAccount Holderが「Alternative Terms Addendum for Apps in the EU」(EUにおけるアプリに関する新しい規約の付属文書)に同意する際に、世界全体の年間収益カテゴリを選択できます。
世界全体の年間収益カテゴリを指定する際は、以下の点を考慮する必要があります。
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アプリ内外の事業活動から得られる世界全体の収益(実物の商品よる収益、デジタルの収益、広告収益など)。
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関連する法人からの収益。関連する法人とは、あなたの会社を支配する、またはあなたの会社の支配下にあるほかの法人を指します。
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ほかの通貨での全世界での事業収益は、期末のスポットレートを使用して換算してください。
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全世界での事業収益は、企業の記録の財務諸表(直近12か月)に基づいている必要があります。財務諸表を提供できない場合は、過去12か月の全世界での事業収益を申告してください。
小規模デベロッパは、CTFが無料となる3年間の導入期間を継続するために、毎年の世界全体の事業収益が規定範囲内にあることを報告する必要があります。
収益が1,000万ユーロ未満であると申告しているデベロッパは、ビジネスが成長しても、無料導入期間または100万ユーロの上限枠に収まる限り、合計3年間この制度の利用を継続できます。3年間の期間中、ビジネスの変化に応じてデベロッパに適用される区分が変わる可能性があります。3年経過した後は、初年度アプリインストール数が100万回を超える部分について、初年度アプリインストール1回ごとにコア技術料が発生します。
注:App Store Small Business Programに登録していても、自動的にCTFが無料となる導入期間の利用資格を受けられるわけではありません。追加での登録を行う必要があります。App Store Small Business Programに登録すると、175の地域で配信される有料アプリおよびアプリ内課金に対するApp Storeコミッション率が引き下げられます。プログラムの利用資格は、App Storeの収益の合計額によって決まります。この合計額は、Appleのコミッション、税金および調整分を差し引いて算出します。
CTFは、App Store、ウェブ配信、代替アプリマーケットプレイスを通じてEU圏で配信されるアプリを対象に、初年度アプリインストール数が100万回を超える部分について発生する別個の手数料です。CTFが無料となる導入期間や上限枠の利用資格は、全世界での事業収益と、初年度アプリインストール数がこれまでに100万回を超えたかどうかに基づいて決定されます。
FAQ
あるユーザが12か月の期間中に複数のデバイスでアプリをダウンロードした場合、どうなりますか?
初年度アプリインストールは、EU圏の個々のApple Accountで、12か月の期間中、アプリごとにカウントされます。たとえば、あるユーザがiPhoneを2台持っていて、両方の端末で同じアカウントを使用し、12か月の期間中にあなたのアプリをインストールしたとします。この場合、初年度アプリインストールは1回としてカウントされます。
あるユーザがiPhoneを買い替えて、アプリを新しいデバイスに転送した場合もコア技術料は発生しますか?
いいえ。あるアカウントでアプリがインストールされてから12か月以上経過している場合でも、iCloud転送は初年度アプリインストールとしてカウントされません。どのような場合に初年度アプリインストールとみなされるかについては、こちらを参照してください。
あるユーザがApp Storeからアプリをインストールし、その後代替アプリマーケットプレイスまたはデベロッパ向けのWebサイトから再インストールした場合、コア技術料は請求されますか?
初年度アプリインストールから12か月以内にEU圏の同一Apple Accountによってアプリがインストールされた場合に限り、2回目以降のインストールに対してはコア技術料が発生しません。これは、当該アプリがApp Store以外のソースからインストールされた場合にも当てはまります。たとえば、あるユーザがApp Storeであなたのアプリを初めてインストールし、一旦そのアプリを削除したとします。その後、初年度アプリインストールから12か月以内に代替アプリマーケットプレイスを使用してアプリを再インストールした場合でも、後のインストールについてはコア技術料が発生しません。
過去12か月間の初年度アプリインストール数が100万回を下回っている場合、どうなりますか?
過去12か月間の初年度アプリインストール数が100万回を下回っている場合、その月のコア技術料は発生しません。
カウントの対象となるのはどのようなアプリですか?
初年度アプリインストールとしてカウントされるのは、EU圏のApple Accountを使用してiOSおよびiPadOSにインストールされたアプリのみです。ただし、12か月の期間中にユーザがiOSとiPadOSの両方で同じアプリをインストールした場合、初年度アプリインストール数は1回のみとなります。また、macOS、tvOS、visionOS、watchOSなどのプラットフォームにユニバーサル購入アプリとして自動インストールされた場合は、初年度アプリインストールとしてカウントされません。さらに、ユーザがApple Vision Proなどの互換デバイスにiPadOSアプリをインストールした場合も、初年度アプリインストールとしてカウントされません。
Apple Business ManagerまたはApple School Manager経由で一括購入された場合、初年度アプリインストールはどのようにカウントされますか?
Apple Business ManagerまたはApple School Managerを使用して購入されたアプリについては、当該アプリが実際にインストールされた場合にのみ、初年度アプリインストールとしてカウントされます。たとえば、ある企業がApple Business Managerを通じてあなたのアプリのライセンスを100件購入し、そのうち20件のみが社用デバイスに実際にインストールされたとします。この場合、初年度アプリインストールとしてカウントされる可能性があるのは20件のみです。